魍魎の匣見ました

いやー、"はこ"の漢字出ませんねー(笑)

ついでに魑魅魍魎のうちどの漢字が使われているかも分かったものではありません。魅魑の函なんちて..

全体的に言うと、やはり技巧が凝らされていると言う感じを強くうけましたね。もちろんそれは原作がでしょうが。
世間一般には、壮大なピースの歯車が最後に噛みあうとか言う表現でも使うのかも知れませんが、私はむしろ一個一個の細部の出来の良さが目にとまりましたね。
漫画と平行して見たのですが、少なくとも原作の小説を読んでみよう、と言う気にさせると言う点では良い出来だったと言えるのではないでしょうか。

さて、あらすじだとかストーリーの顛末とかは別の所で書く人もいるでしょうから、純粋にいくつか感じた事のみ。

呪をかける、と言う概念の登場が中々興味深かったですね。もっと言うとそれは実際的行動でもあるわけです。
神話とまでは行きませんが、妖精だとかの民間伝承や魔術の類と言うのは、全くの空想やあるいは詐欺などではなく、あるとすれば例えばこう言った形であったのではないか、とも考えさせられます。京極堂なら、ゴルフ選手をイップスにかからせる位は出来そうです。(笑)

ラストはちょっぴりドタバタしている感じですね。何だかB級ホラー的顛末と言えなくもないです。

結局、様々なレイヤーにおける"箱"が登場するわけですが、この作品における箱と言われれば、大抵の人が思い浮かべるのは匣の中の少女の入っている箱、だと思います。
これ言うと、かなりドン引きする人も多いかも知れませんが、ああ言った少女の異性感情としての形も、結構"アリ"なんですよね。あるいは、潜在的にそれに近しい情欲の方向性を、嗜好の構成要素の中に抱えている人はそこそこいるはずです。つまり、逆に言うと、男性かレズビアンの女性で、「何だかドキっとした」を感じた人は多いだろうって事ですね。
その事に関して言うと、逆に雨宮は結構紋切りなネクロフィリアと言うか、それよりも強い個人幻想へのシフトと言った感じでしたね。なんと言うか、彼の見ているものと、作品を見た人が見ている物とは違うと言う事です。
それにしても黒い干物とは、当然であり、しかし何故だかガッカリと言うオチでした。まさしく聞かずには居られない、けど聞いても仕方ないのも確かと言う。いやいや、もはや現実ではなく自分の妄執のフィルターで、"黒い干物"を見て語らい愛せる雨宮の方が、目がくぐもっている点を除けば、ガッカリした面子より健全かも知れません。
色々書くと本当危ないですよ、新身長とプラトニックの関係性とか、アンビリカルケーブル断線後の内蔵電源による活動時間を想像する事とか。大体この子宮回帰願望を自身ではなく対象側に求めるようなのは何て言うんでしょうね。子宮送還願望?


全体を通して言うと、あの女優の人が悪女すぎます。て言うか、どこかの時点で金目当てになってないか?